災害発動時における安全管理

1 出場時
 @ 車庫から出場するときは、誘導員をだし警笛や赤旗等により歩行者や一般車両に注
  意を喚起し避譲を確認する。
 A 優先通行権を過信しない。赤信号は確実に停止し、避譲を確認してから通行する。
 B 拡声器などを積極的に活用し、車両や歩行者に注意を喚起する。
  特に避護車の陰や路地等から飛び出す車両や歩行者に注意する。
 C 火煙等に気をとられやすいので、全員で前方を注視し進行する。
 E 災害出場は、自己隊だけでなく他の隊も出場するので、交差点やT字路では消防車
  両同士が出会いがしらの衝突に注意する。
2 水利部署
 @ 部署時は、吸水処置、ホース延長、資機材搬送等の行動が競合し、団員同士が衝突
  するので他の団員の行動に配意する。
 A 消火栓や防火水槽の蓋は、吸管を延長してから開放し、スピンドル廻しは、吸管離
  脱まで抜かない。
 G 吸管延長時には、吸管のはね返りやっまづきに注意し、消火栓等に結合したら関弁
  前に必ず繋着状態を確認する。
 C 消火栓、防火水槽の蓋及び池水等に転落のおそれがある場合は、ロープ等で表示す
   る。
 D 河川等転落危険のある水利は、ロープ等で身体を確保して吸管投入等の作業を行う。
 E 積雪・寒冷時は、滑り転倒に注意し、重心を低くし小股で作業を行う。
3 ホース延長
 @ ホースブリッジを使用するときは、2名以上で行い1名は交通整理を行う。
 A 手ぴろめ延長時は、結合環、菅そうの落下、ホースバンドやホースの垂れ下がりそこ
   注意する。
 G 軒下等は落下物等の危険があるので火災建物と平行とならないように延長する。
 C 塀等を乗り越え延長するときは、積載はしご等を活用する。
4 送 水
 @ 機関員は、筒先部署までに時間を要すると判断される場合又は筒先位置が確認でき
   ないときは伝令を待って送水する。
 A 予備注水は、筒先位置が確認できる場合とし、いつでも停水できる態勢で送水する。
 B 余裕ホースをとり、ホース結合状況を確認し、放口を徐々に開放する。
 C 放水する前の筒先進入は、内部進入しすぎないように~する。また、放水前の筒先は
放置しない。
5 落下物危険
@ 活動前に上部を確認し、瓦等の落下しやすい物があるときは、周囲の団員等に注意
  を促し、とび口やストレート注水で排除する。
A 防火造建物のモルタルの亀裂、ふくらみに注意する。
6 転落危険
@ 窓等の開口部から進入するときは、窓枠や足場の強度を確認する。
A 木造、防火造建物は、床抜け等があるので、部屋の隅や窓際等で活動する。
B スレート屋根や塩化ビニール等の屋根上でやむなく活動するときは、厚板や積載は
  しご等で足場を確保する。
C 屋根上で注水するときは、ホースを棟上で蛇行させてホースのずれ、転落を防止す
   る。
7 転倒危険
 @ 階段、敷居、段差等でのつまづき、踏み外しに注意し、足下を確認しながら進入す
   る。
 A 延長ホースにつまづき、転倒するのでホースは踏まない。
 B 筒先の開閉は徐々に行い、反動扱こよる転倒を防止する。
 C 高圧注水に耐えられないときは、壁体等の工作物で身体を確保したり噴霧注水とす
   る。
8 倒壊危険
 @ モルタル壁等は、火災の初期の段階でも倒壊危険があるので、倒壊を予測される区
  域の立入を禁止する。
 A 木造、防火造の店舗等は、外観上は堅固に見えるが、内部の柱や木ずりが燃焼する
  と一挙に倒壊するので、内部の燃焼状況に配意する。
 B 倉庫や工場等の集積場所では、荷崩れが起こりやすいので、安全な距離をとる。
9 爆発危険
@ 部署は、風上、風横とし原則とする。ガス滞留の恐れがある下水溝、マンホール及
 び覆工板上は避け、可能な範囲で蓋等を排除する。
A ガス滞留地域内においては、火花を発する資機材の活用を避け、噴霧注水によりガ
 スの拡散を図る。
G 冷却放水は、堅固な工作物等を肩にして行うとともに、適当な安全距離をとる。
10 感電危険
 @ 発変電施設の火災は、原則として技術者の停電処置を待つ。
B 停電になっているとしても、施設や送電線に不用意に近づかない。
C 通電中の高圧電線や柱上変圧器に延焼阻止等、やむを得ず注水するときは噴霧注水
とする。
11吹き返し危険
 @ 注水をするときは、開口部の正面を避け姿勢を低くし側方から行う。
 A 熟せられた壁体やシャッターに注水した水が、熱気、熱湯により-まね返る危険がある
   ので、注水時は顔面保護に十分配意する。
 B 開口部を開放する時は、側方に位置し徐々に行う。
 C 排気側から注水すると吸気側に吹き返しがあるので、吸気側と連絡をとり安全を確
   認した後に放水する。
12 破壊作業
 @ 開口部を設定する場合は、内部に進入している隊と連絡をとってから行う。
 A ガラスを破壊するときは、とび口等を活用し上部から徐々に破壊する。窓枠のガラス
  片は完全に除去する。
 B トタン板のはく離作業は、とび□等を活用し切創等に注意する。
 C 大ハンマー、オノ、とび口等を使用するときは、周囲の安全を確保してから行う。
13積載はしご活用時
 @ 架ていする位置は、平坦でかつ堅固な場所を選定する。
 A 架てい角度は7 5度とし、窓等の開口部に架ていするときは、主かんを窓枠、柱に寄
  せ横揺れを防止する。
 C 登降ていするときは、はしごを固定するか、先端をロープ等で固定する。
 ◎ 他隊で架ていしたはしごは、無断で移動しない。
14 残火処理
 @ 過労や緊張感が緩むことから注意心が散漫になるので、適宜交替や作業分担を行い、
   疲労の軽減を図り注意力の持続を図る。
 A 屋根等の高所で活動するときは、足場を安定させ必要により命綱をとる。
 B モルタル亀裂、ふくらみ等や柱等の焼き状況から崩落のおそれがある場合は、強制
   的に落下させるか立入の禁止処置をする。
 C とびロ等で作業をする場合は、周囲に作業スペースをとり、必要により監視員を置
   <。
15 引き揚げ
 @ 要所要所の安全確認をし、注意力の継続に努める。
 A 走行中に積載物が落下しないよう十分の配意をする。
 B 入庫を完了し、資器材の積み替えまで気を抜かない。

2002年消防学校 講習より抜粋(講師:郡山消防署副所長)